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社会を映しだす映画をわかりやすく紹介

池上 彰

ジャーナリスト、名城大学教授

ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション

『TAXi』や『トランスポーター』などのシリーズを制作したリュック・ベッソンが制作・共同脚本を務めたといえば、カーアクションのファンは期待していいでしょう。今回の舞台は台湾の台北です。 台湾の億万長者クワンの麻薬密売を摘発するためアメリカで潜入捜査をしていた麻薬取締局(DEA)の捜査官ジョンは、大量の麻薬を摘発することには成功するものの、黒幕のクワンの逮捕には至りませんでした。 成功というべきか失敗というべきか、ジョンは強制的に休暇を取らされ、クワンが本拠を構える台湾に向かいます。そこでクワン逮捕の手がかりを得ようとするのですが……。 台北のクワンの美貌の妻ジョーイと息子のレイモンドは、クワンとの関係が微妙で何らかの因縁があるようなのですが、そこにジョンが現れたことで、激しい活劇の数々が展開されます。台北の街でフェラーリを爆走させるジョーイの腕に見とれているうちに、あなたはリュック・ベッソンの魔法にかかります。 こんな映画を作られたのでは台湾の警察が怒るだろうと思ってしまうのですが、そこは民主社会の台湾。撮影が認められてしまうのですね。細かい所では突っ込みどころ満載ですが、まあ、痛快な映画ですからご容赦を。

25/8/15(金)

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