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イヤな映画、主人公の悲劇がお好み

真魚 八重子

映画評論家

愛はステロイド

『セイント・モード/狂信』のローズ・グラス監督によるスリラー・ラブストーリー。時は1989年。トレーニングジムで働くルー(クリステン・スチュワート)は、ボディビルダーとしての成功を夢見て、ラスベガスへの旅路を辿っていたジャッキー(ケイティ・オブライアン)と出会い恋に落ちる。しかしルーには、街の裏社会を牛耳り凶悪な犯罪に手を染めている父親など、家族に問題を抱えていた。ルーが勧めたステロイドで見事な肉体を手に入れていくジャッキーが、薬の依存症になっていく不安。そしてルーが家族の問題で悩んでいたために、ジャッキーが愛ゆえ罪を犯してしまう関係性が純愛としか言いようがない。衝撃的なクライマックスを含め、恋愛の尊さを改めて認識せずにいられない作品。

25/8/23(土)

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