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クラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

東京二期会オペラ劇場『さまよえるオランダ人』<ワールドプレミエ>

“ワーグナーの『さまよえるオランダ人』新演出上演”    悪魔の呪いを受けて七つの海を彷徨うオランダ人船長。7年に一度上陸を許され、そこで彼に生涯の愛を誓ってくれる乙女に出逢えば救済されるという宿命を受けている。 ワーグナー初期のこの有名なオペラを、東京二期会が新制作、深作健太の新演出で上演する。「自然との対決」を底流にした比較的ストレートな路線の演出だという噂もあるが、観てみなければ判らない。指揮はマニアたちに根強い人気を持つ上岡敏之で、しかも演奏は彼と相性のいい読売日本交響楽団だから、ドイツの歌劇場で長年活躍した彼の本領が期待できよう。 今回もダブルキャストで、オランダ人役を河野鉄平と斉木健詞が、彼を救おうとする少女ゼンタを中江万柚子と鈴木麻里子がそれぞれ歌う。全3幕およそ2時間半、休憩のない全幕連続演奏版での上演とのこと。トイレは必ず開演前に済ませておこう。

25/9/2(火)

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