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鋭い視点でアートの見方を指南

村田 真

美術ジャーナリスト

東京大空襲80年-空襲被害写真と空襲体験画を見つめて-

空襲体験画が出ているというので見に行った。これは2003年から同館が東京空襲を体験した人たちによる絵を収集してきたもの。絵の心得のない一般市民が空襲から半世紀以上経って記憶を頼りに描いたという割に、どれも迫真的で驚いてしまう。なかに看板絵描きになったという人の絵もあって、遠近感や立体表現はしっかりしているのにどこか現実感が希薄に感じられるのはなぜだろう。東京国立近代美術館の『コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ』(~10/26)に出ている、被爆者自身による説明書き付きの体験画や、川崎市岡本太郎美術館の『戦後80年 《明日の神話》次世代につなぐ 原爆×芸術』(~10/19)に展示されている、高校生が被爆者から聞き取って描いた「原爆の絵」も併せて見てほしい。

25/8/28(木)

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