堤真一さんと中村倫也さんがベテラン俳優と新進俳優に扮し、劇場や楽屋、舞台袖など劇場内のあらゆる場所を舞台に繰り広げるセッションの数々。表現者同士で交わす敬愛の念、はたまた価値観の違いや業のぶつかり合いが、時にコミカルに、やがてじんわりと胸に沁みゆくデヴィッド・マメット作の濃密な対話劇です。 2009年の舞台での初共演から熱い信頼関係が続いているという堤さんと中村さん、さらに“俳優”を演じていることから、ところどころでおふたりの素の感情に触れる、そんな錯覚に陥るやも知れず。それもまたこのふたり芝居の妙味でしょう。1997年の本作の日本初演時、石橋蓮司さん扮するベテラン俳優ロバートを相手に、新進俳優のジョンを演じていたのが堤さんでした。月日は巡って今度は堤さんがロバートに、と考えると、いつか中村さんがロバート役を任される日が来るのかもしれません。 そんなお楽しみも胸に、今のおふたりの掛け合いをしっかり目に焼き付けましょ！　ドラマや映画で数々の名作を生み出し、近年は舞台演出でも活躍中の水田伸生さんの演出にも注目です。

25/9/5(金)