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アニメも含め時代を象徴する映画を紹介
堀 晃和
ライター(元産経新聞)、編集者
ヒックとドラゴン
25/9/5(金)
TOHOシネマズ日比谷
小説や漫画をアニメにする。そこからさらに実写化する。『ヒックとドラゴン』も原作は英国の児童文学。それが2010年にアニメ化され、大ヒット。2019年にかけてアニメは計3作が公開された。本作は実写版だ。 自由な描写ができるアニメよりも、表現できるシーンが制限されるのではと少し懸念を抱いて観たが、そんなことは微塵もなかった。現代の撮影・CG技術はすばらしい。ドラゴンの視点で描かれる空飛ぶシーンは、観客もともに大空を高速で移動している感覚に包まれる。遊園地のアトラクションを体験しているようだ。スクリーンに入り込んだ没入感を味わえた。 舞台となるバーク島には、バイキングの一族が暮らしている。生活を脅かす存在がドラゴンだった。族長の息子ヒックは、父のような勇敢なバイキングになろうと研鑽を積むが失敗ばかり。ある日、ドラゴンの中でも特に狂暴なナイト・フューリーと遭遇する。傷つき弱ったナイト・フューリーを助けたヒックは、友人のような強い絆を結ぶことになり……。 “ドラゴンの巣”での戦闘シーンは、瞬きを躊躇するほどの迫力。最大の魅力は飛行&戦闘シーンだが、ヒックが一連の経験を通して成長する姿がなんとも爽やか。余韻が胸に残る。
25/9/7(日)