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日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

宝島

『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督と主演・妻夫木聡の執念、沖縄の人たちの本当の思いを映画で伝えなければいけないという強い意思が、2度の撮影延期という悪夢を跳ね除けて産み落とした傑作だ。 それにしても、このとてつもない熱量と胸に迫る心の叫びは何なのだ!? しかも、それらが力技ではなく、大友監督らと思いを同じにした俳優陣たちの魂の芝居と精鋭スタッフによって高い精度で無駄なく映像に焼きつけられているのがスゴい。 この熱量と精度、キャストとスタッフの一体感には心から唸った。突きつけてくるストレートなメッセージに打ちのめされて、しばらくは言葉が出てこなかったが、心は震え、自然に目頭が熱くなった。こんな圧倒的な映画は久しぶりだ。間違いなく、今年見逃してはいけない大切な1本。観客が対峙し、思いを馳せることで完成する、かけがえのない3時間11分。

25/9/26(金)

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