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ブロードウェイ通のミュージカル文筆家

町田 麻子

フリーライター

ミュージカル『SPY×FAMILY』

登場人物たちが西洋人のようでいて日本人的でもあるため日本のキャストが日本語で歌を歌うことに違和感が生じにくいこと、演劇によってこそ表現し甲斐のある心の声という要素が物語の重要な位置を占めること、アーニャの愛らしさに思わず顔が綻ぶことで観客が自然と笑う態勢に入りコメディの盛り上げ要員となりやすいこと。 といった理由により『SPY×FAMILY』がミュージカル向きの題材であることは、原作漫画を読んだり初演の舞台を観たりする中でも感じていたが、プレビュー公演で観た再演の舞台では、こうした利点がさらに良く生かされていたように思う。特に“歌うアーニャ”は、前回も今回も本当に可愛らしく、顔を綻ばせずにいられる観客はおそらくいないだろう。

25/10/1(水)

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