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クラシック業界ご意見番
東条 碩夫
音楽評論家
読売日本交響楽団 第145回横浜マチネーシリーズ
25/10/12(日)
横浜みなとみらいホール 大ホール
“ヴァイグレ指揮読響がロシアの近代ものを演奏” 旧東独出身のセバスティアン・ヴァイグレは、ロシア系音楽のレパートリーにことさら愛着を抱いており、日本でも読響を指揮してしばしば取り上げている。ロシア的な雰囲気のある演奏とは言い難いが、彼のがっしりと構築されたシリアスな指揮で聴くロシア系の作品にはそれなりの良さがあるだろう。 今回はしかも、ウクライナ出身の作曲家モソロフの「鉄工場」と「ハープ協奏曲」という、まずこれを逃したら二度と聴けないような作品が取り上げられる。その日のメインはチャイコフスキーの「悲愴交響曲」だ(12日、14日)。 もうひとつは、ソ連時代に苦衷の生涯を送り、面従腹背の姿勢を秘めた作品を書いたショスタコーヴィチの最後の交響曲、「第15番」を中心に、ハチャトゥリアンとグリンカの作品を配したプログラム(21日)である。いずれも意欲的な選曲なので、聴くに値する。 ・10月12日 横浜みなとみらいホール「第145回横浜マチネーシリーズ」 ・10月14日 サントリーホール「第686回名曲シリーズ」 ・10月21日 サントリーホール「第652回定期演奏会」
25/10/4(土)