評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
現代作曲家の立場で分かりやすく紹介
三枝 成彰
現代作曲家
The Road to 2027 仲道郁代 ピアノ・リサイタル ラヴェルの狂気
25/10/26(日)
東京文化会館 小ホール
ご活躍を続けておられるピアニストの仲道郁代さんが現在取り組んでおられるのが、一連のリサイタル・シリーズである“The Road To 2027”です。2018年から10年計画で続くこのシリーズ。10月26日(日)に東京・上野の東京文化会館・小ホールで行われます。 今年は奇しくも作曲家モーリス・ラヴェルの生誕150年にあたります。〈ラヴェルの狂気〉というサブタイトルのついたこの公演で演奏されるのは「鏡」、「水の戯れ」、「夜のガスパール」。“スイスの時計師”の異名をとるラヴェルは管弦楽曲「ボレロ」などにおける精緻な音楽表現で知られますが、ピアノ曲も傑作揃い。しかしながら、彼の作品世界に〈狂気〉という側面からスポットがあたることは珍しいのではないでしょうか。 仲道さんは「言葉が映し出す音たち ラヴェルのピアノの音が 面妖な異次元の世界へと 煌めき誘う そこに見るものは? 聴くものは? 言葉と音が極まり 境界はぼやけて重なり 私をも消してしまう」と語っておられます。 ラヴェルの紡ぎ出した“異次元の世界”を仲道さんがどのように聴かせて下さるのか、興味は尽きません。
25/10/18(土)