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クラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

新国立劇場オペラ『ヴォツェック』

“20世紀オペラの最大傑作、『ヴォツェック』が新演出で” オーストリアの大作曲家アルバン・ベルクが、ゲオルク・ビューヒナーの戯曲を基に書いた超名作オペラ『ヴォツェック』。完成・初演から、今年がちょうど100年にあたる。大野和士が芸術監督を務める新国立劇場は、それを記念して、リチャード・ジョーンズによる新演出でこのオペラを上演する。以前上演したクリーゲンブルク演出版に替わるほぼ10年ぶりの新プロダクションである。 社会の底辺に生きる理髪師ヴォツェック。自らを医学の実験台にして収入を得、愛する妻子を一所懸命に養う。だが妻マリーは、不倫に走って行った。次第に精神を蝕まれて行くヴォツェック。そしてついに、悲劇的な破局が訪れる━━。 甘い音楽は一つもない。20世紀音楽の緊迫した曲想が続くオペラだ。大野和士が東京都交響楽団を率いてピットに入り、トーマス・ヨハネス・マイヤー(ヴォツェック)、ジェニファー・デイヴィス(マリー)らが歌う。

25/11/7(金)

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