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春日 太一

映画史・時代劇研究家

ブラックフォン 2

仮面の怪人により地下室に監禁された少年が、黒電話を通じてこれまでの被害者たちと交信。その力をもって困難を突破する──。一作目が鮮やかな終わり方をしていただけに、この二作目が公開されると知った時はむしろ嫌な予感がしていた。結局は安いスラッシャー映画としてシリーズ化されるのか……と。 その予感は良い意味で裏切られた。  本作にも、引き続きイーサン・ホークの演じる仮面の怪人は登場する。だが、作品の主眼はそこにない。描かれるのは、前作の闘いで深い傷を負った兄妹が、いかにしてトラウマを克服していくかの物語だった。つまり、繊細な心理ドラマになっている。 前作では夢を通じて事件の解決に貢献した妹が、今回は実質的な主人公に。新たな夢に怯えるか弱い存在が、だんだんと覚醒し、やがて恐怖と対峙して乗り越えていく様が実に頼もしい。演じるマデリーン・マックグロウの凛々しさとあいまって、実に魅力的なキャラクターとして物語を引っ張っていた。 近年では珍しい、“作られるべき続編”だった。

25/11/22(土)

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