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水上 賢治

映画ライター

野田真吉特集―ゆきははなである

本特集の作品の数々が映し出すのは、ほとんどが50年以上前の日本の姿だ。おそらく令和や平成の世代からすると、あまりに現代とかけ離れ過ぎていて、同じ日本とは思えないかもしれない。でも、作品を通して、紛れもなく日本を感じ、日本という国の歴史や時代を意識することになることだろう。野田真吉という映画作家が亡くなってすでに30年以上が経とうとしている。その作品が今になって、日本で暮らす人々に多くのことを語りかけてくる。劇映画にしてもドキュメンタリーにしてもシンプルかつ真摯な視点で収められた映像は、わたしたちがすでに失ってしまったもの、失いかけているもの、いまも受け継いでいるもの、これからもつないでいきたいもの、改めて大切にしたいもの、改めて忘れたくないものなどが記録されている。 2年前の山形国際ドキュメンタリー映画祭で特集が組まれた際も大反響を呼び、再評価が高まった。このような形で再び、彼の作品群に出合えることを素直に喜びたい。

25/12/8(月)

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