水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

クラシック公演の魅力をやさしく解説

田中 泰

音楽ジャーナリスト

新国立劇場オペラ『リゴレット』

今月の水先案内で、初心者に『道化師』と『カヴァレリア・ルスティカーナ』の2本立てを紹介したところで、早速次のステップへと進むのにピッタリの作品の1つ『リゴレット』が上演される。 これはイタリアが誇る“オペラ王”ヴェルディが手掛けた最低最悪のオペラに違いない。オペラに不可欠な恋と不倫と裏切りに殺人といった、ドロドロの要素がふんだんに盛り込まれているのは良いのだが、その内容があまりにも切ない。特に娘を持つ父親の立場としては、主人公リゴレットの気持ちに共感して「嘘だろ」「冗談じゃねえぞ」などと怒り心頭に達してしまうこと間違いなし。胸糞悪いったらありゃしない。にもかかわらず、浮き世離れした美しい音楽にやられてまた観に行きたくなってしまうのだから始末が悪い。 だからオペラはやめられないんだなあ。

26/2/10(火)

アプリで読む