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名画座女子の極私的旧作邦画セレクト

のむみち

名画座かんぺ発行人

生誕100年 俳優・佐田啓二

『顔役(噛みつかれた顔役)』 現在神保町シアターで開催中の特集《俳優・佐田啓二》は、1957年の『土砂降り』から同年の『集金旅行』、翌1958年の『ボロ家の春秋』、そして1960年の『いろはにほへと』まで、中村登監督の監督として脂が乗って来た頃の作品が楽しめる特集となっています。1958年の本作は、『土砂降り』と同様北条秀司原作の地方選挙をめぐる風刺喜劇。市議会選挙に担ぎ出される銭湯の主人役を伴淳三郎が演じていますが、舞台が伴淳の出身地である山形(全編ロケ)ということもあり、適役中の適役。伴淳の代表作のひとつと言っても過言ではないのではないでしょうか。騙し騙されのすったもんだの末のラストのどんでん返しが見もの。本特集の主役である佐田啓二は、東京からやって来て選挙の参謀として活躍する胡散臭い詐欺師まがいの男役を好演。そして本作のもうひとつの見どころは……大木実です! なんと本作の大木実は、当時大スタアだった「本人役」での登場。選挙の応援に駆り出され、黄色い声を上げる女性ファンに揉みくちゃにされるという、大木実ファンにとっては見逃せない作品です。本作を初めて観た筆者は、当時の大木実の絶大な人気を目の当たりにし、誇らしさで胸がいっぱいに。ドヤ顔で劇場を後にしたものです。今回久しぶりの「あの頃の大木実」との再会に今から胸が高鳴って仕方ありません♡

26/1/26(月)

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