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政治からアイドルまで…切り口が独創的
中川 右介
作家、編集者
ほどなく、お別れです
26/2/6(金)
TOHOシネマズ日比谷
葬儀会社の葬祭プランナーが主人公。だから、映画のなかでは回想を含めて5つの葬儀が描かれる。 3つは事故による突然の死、ひとつは幼い女の子の病死、ひとつは高齢者だが家族との間にわだかまりを持ったままでの死。 だから、涙腺の弱い人はハンカチが何枚あっても足りない。といって、お涙頂戴映画にならないのは、これが浜辺美波演じる葬儀会社にインターンとして入った新人葬祭プランナーの成長のドラマでもあるからだ。彼女には「亡くなったひとが見えて会話ができる」という特殊能力がある。浜辺美波は、このファンタジー設定を緩急自在の演技で、不自然なものにさせない。それがあって、映画をシリアスでヒューマンなものとして成立させている。 彼女を指導する先輩の葬祭プランナーが目黒蓮で、亡くなったひとと遺族への情にあふれ、しかし、仕事人としてはクールという複雑な人物。その複雑さを目黒蓮は「そんなの当たり前じゃん」という感じで、自然に演じる。 葬儀のシーンが多いので、登場人物はみな喪服。だけど、それぞれの家族の回想シーンでは、カラフルな服装が多いし、ロケで描かれる風景も美しい。そのため、映画全体として、暗い印象はなく、泣けるけれど湿っぽくない。
26/1/31(土)