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平辻 哲也
映画ジャーナリスト
センチメンタル・バリュー
26/2/20(金)
TOHOシネマズ 日比谷
『わたしは最悪。』でカンヌ国際映画祭グランプリに輝いたヨアキム・トリアー監督の最新作。またしても、私たちの心の柔らかい部分を無遠慮に、しかし深い愛着を持って突き刺してくる。 長年音信不通だった映画監督の父が、娘を主演に復帰作を撮りたいと言い出す。拒絶されると、なんと代役にハリウッドスター(エル・ファニング!)を立て、あろうことか家族の思い出が詰まった実家で撮影を強行するのだ。 聖域である“家”と“記憶”がフィクションに上書きされていく。芸術家のエゴと家族の愛憎が生々しく描かれながら、確執する父娘の本音が見えてくる。記憶の中に“許せない誰か”がいる人、人間関係のこじれに悩む人には深く刺さるはず。映画愛に溢れた、大人のための人生賛歌だ。
26/2/17(火)