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中山 ゆかり

ライター

東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき

優れたデザインや工芸の紹介が多い北欧・スウェーデンから、見応えある絵画が大挙して来日した。同国で絵画の分野が熱かった時期は、19世紀後期から20世紀初め。美術の「黄金期」と呼ばれる。主にフランスに留学した若手画家らが帰国後に考えたのは、自国に固有の絵画として何を描くのか。そしてどう描くのかということ。その模索は明治期に西洋と出会った日本の近代の画家たちにも通じ、親近感がわく。アイデンティティを求めた彼らが見出したのが、厳しくも豊かな自然と、長く明るい夜が続く独特の気候と光。黄昏時や夜明けの繊細な光や月明かりと共に描かれた湖や森や山は時に神秘的、時に詩的で美しい。長い冬を快適な家で家族と過ごす丁寧な暮らしもまたこの国らしい画題だ。日常を見つめる温かな情景描写も大いに楽しめる。

26/3/6(金)

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