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ピアノのスペシャリスト
高坂 はる香
音楽ライター
アレクサンダー・マロフェーエフ(ピアノ)/東京・春・音楽祭2026
26/4/3(金)
東京文化会館 小ホール
マロフェーエフさんの演奏を初めて聴いたのは、10年前、ゲルギエフさんが見出した神童という紹介で、マリインスキー管のソリストを務めていたときでした。当時14歳。まだ小柄で、椅子から立ち上がらんばかりの勢いで、鮮やかな技巧を披露していた姿が思い出されます。今回は東京春音楽祭で来日。日本での久しぶりのリサイタルなので、現在の自分がどういう音楽家かを伝えられるような作品を選んだそう。先日お話を伺ったときは、自分がロシアで受けた教育がその礎を築いたことに間違いはないけれど、“神童”時代は自分が自分でなかったとしきりに語っていたことが印象的でした。 私が彼の演奏を最後に生で聴いたのは2019年のチャイコフスキーコンクール(藤田真央さんが入賞した回)の1次予選。思えばあのときはまだ何かと戦っていた時期だったのかも……その後ドイツに留学してとても自由になれたみたい。何かを脱した今の演奏を聴くのが楽しみです。
26/3/24(火)