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オペラと古楽をとりわけ愛する

朝岡 聡

アナウンサー

新国立劇場オペラ『椿姫』

ヴェルディのオペラではバリトン歌手が重みを持つ作品が多い。その意味で、今回の『椿姫』ではジェルモン役のロベルト・フロンターリが観賞の核と言えよう。 自分の息子がヴィオレッタと愛し合っているのを強引に別れさせる父ジェルモン。矛盾に満ちた性格ゆえの人間味を歌で実感させてくれるのは、フロンターリのような歌手ならではの味。第2幕でヒロインのヴィオレッタと繰り広げる二重唱は、絶対の聴きどころだ。まさに歌で演技するオペラ歌手の妙味を実感できる。 一方でフロンターリの歌自体をしっかり味わうなら、有名なアリア「プロヴァンスの海と陸」も必聴。豊かな声から滲み出る父の苦悩に、名歌手とは何か……という答えが見つかるはず。

26/3/25(水)

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