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現代作曲家の立場で分かりやすく紹介
三枝 成彰
現代作曲家
東京二期会オペラ劇場『ルル』
26/4/11(土)
カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)ホール
20世紀のドイツ音楽の旗手になるであろうと目されていたのがアルバン・ベルクです。病のため50歳で世を去ったベルクは、現代音楽の手法を用いた数々の作品を世に問いました。彼のオペラで『ヴォツェック』と並んで知られる『ルル』が、東京二期会によって上演されます。貧民街で育った少女ルルは、あるとき新聞社の編集長であるシェーン博士に見出され、“理想の女性”として養育されます。やがて大人になったルルはさまざまな男性と出会い、魂の放浪ともいうべき道を歩んでいきます。 今回が日本デビューとなる新進気鋭の指揮者オスカー・ヨッケルさんも言及していますが、本作はベルクの真骨頂である12音技法と8つの調性からなり、音楽と演劇のハイブリッドともいえる難しい作品。加えて社会性もドラマ性も豊かなこの作品に取り組むことは、まさに演奏家にとって大きな挑戦といえるでしょう。演出はオペラ界の第一線で活躍するカロリーネ・グルーバーさん。ヒロイン・ルルを、よくいわれる「運命の女(ファム・ファタール)」ではなく「社会の犠牲者」という新しい視点で描き出しておられ、5年前のワールド・プレミアで絶賛されたそうです。 公演は4月11日(土)の神奈川県・川崎のカルッツかわさき、同17日(金)・18日(土)・19日(日)に東京・初台の新国立劇場 オペラパレスにて。指揮は先に述べたオスカー・ヨッケルさん、演出はカロリーネ・グルーバーさん、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団。出演はダブル・キャストで宮地江奈さん/冨平安希子さん(ルル)、黒田祐貴さん/大沼徹さん(シェーン博士)ほか、ソロダンサーとして中村蓉さん。
26/4/2(木)