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植草 信和
フリー編集者(元キネマ旬報編集長)
午前十時の映画祭16 デジタルで甦る永遠の名作
26/4/3(金)~27/3/18(木)
TOHOシネマズ シャンテ、 ミッドランドスクエア シネマ、 大阪ステーションシティシネマ
世界中の名作・傑作を、1年間にわたり全国の映画館で上映する、世界でも例を見ないユニークな「午前十時の映画祭」。この企画の斬新で宝の山のようなラインナップにいつも驚かされる。初回の2010年から作品選定委員長を務めた映画評論家の故・品田雄吉さんは「この映画祭は“宝探しの旅”」と書いている。 今年は、全25本のうち過去15回で未上映だった作品が20本選ばれているのが最大の特色。そのオープニング作品は、公開から30年以上経った今もなお、世界中のクリエイターに多大な影響を与え続ける大友克洋監督『AKIRA』と押井守監督『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』だ。アニメーション映画の傑作が先陣をきるのは、過去になかったこと。 個人的にビックリしたし、楽しみなのは、「世界の珍妙ホラー映画ベスト5」で3位に選ばれるなど海外でも人気が高い、キノコの恐怖を描いた『マタンゴ』。知る人ぞ知る東宝怪奇特撮映画の傑作だ。さらにもう1本、清純可憐な八千草薫が大人の美女へと変身した『ガス人間第1号』が入った。また、岸惠子が身も凍る美しい雪女に扮した小林正樹監督の『怪談』(小泉八雲原作)がデジタルで甦るのも嬉しい限り。 そして注目すべきは、昨年、若い映画ファンのSNSで“七人の侍旋風”を巻き起こしたその熱気を吸い上げて、黒澤明監督の名作から『用心棒』と『椿三十郎』が登場すること。 外国映画では、ロバート・レッドフォードの『スパイ・ゲーム』、ダイアン・キートンの『マンハッタン』、ロブ・ライナー監督の『恋人たちの予感』など、世界中から愛された映画人たちへの追悼を込めた上映にも注目したい。 初めて観ても、何度観ても、誰もが感動するお得感満載(入場料が安い!)の“映画の旅”におでかけください―。
26/4/7(火)