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政治からアイドルまで…切り口が独創的
中川 右介
作家、編集者
ARCO/アルコ
26/4/24(金)
TOHOシネマズ 日比谷
カラフルで緻密な背景に、まず目をみはらされた。想像の世界の創造こそがアニメの醍醐味。舞台となるのは約50年後の2075年だが、もっと遠い2932年から物語は始まる。未来人は雲の上で暮らしていて、虹色に光るマントで、時間旅行をしている。少年アルコは親に無断で時間旅行し、間違って2075年に落ちてしまう。そこで少女と出会い……。 50年後の世界では、ロボットが子守りや道路工事をしている点が、いまとの大きな違い。おかしな三人組との追跡劇や、親との微妙な関係など、コミカルな部分とシリアスな部分が混在し、シャレたセリフもあって、エンドロールの余韻といい、いかにもフランス映画。子どもが見ても楽しめるが、大人が見てこそ分かる、いくらでも深読みできるアニメ。 戦争、環境汚染、貧困、格差と、”いま”の世界は絶望感が漂い、明るい未来がなさそうだけど、どんな未来にも少年と少女がいて、どこか別の世界へ行きたがっているに違いない。そこに、希望がある。
26/4/9(木)