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イヤな映画、主人公の悲劇がお好み
真魚 八重子
映画評論家
夜のダイヤモンド
68/9/14(土)
チェコ・ヌーヴェルヴァーグを代表する映画監督ヤン・ニェメツの長編監督第1作。チェコスロバキアの作家アルノシュト・ルスティクが、ナチスによって強制収容所に送られる列車から脱走した経験に基づいた小説「闇に影はない」が原作。少年ふたりが荒れた林の中を走っていく、躍動的な横移動の撮影から始まる。セリフは少なく、ニェメツは繰り返しやつながりのない編集によって、作品全体を実験的に仕上げている。やがて少年たちはライフルを持った老人たちに囲まれ、命の危険に晒される。幻想と現実の狭間にナチスという重い楔が打たれた一作。少年の手のひらにたかる蟻など、ブニュエルなどのシュールレアリズムも連想させる。モノクロの映像が美しい。
26/4/12(日)