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映画から自分の心を探る学びを
伊藤 さとり
映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)
SAKAMOTO DAYS
26/4/29(水)
TOHOシネマズ日比谷
『銀魂』シリーズや『今日から俺は!!』など、ギャグセンスのあるコミックを実写化し続ける福田雄一監督が再び人気漫画に挑戦。今回は、2020年から連載がスタートし、2025年にはアニメ化もされた鈴木祐斗原作の同名人気漫画の実写化だ。主人公の伝説の殺し屋である坂本は、昔はイケメンだったが結婚し、殺し屋を引退したことで幸せ太りをした男。しかも殺し屋としてハードなバトルを展開すると、エネルギーを消費し体型が昔に戻るという設定のキャラクターを、目黒蓮がひとりで演じるということも注目だった。 確かに『わたしの幸せな結婚』や『劇場版 トリリオンゲーム』でも長い手足を活かしたキック中心のアクションが、スクリーン映えした記憶も新しい。実際、4時間の特殊メイクでふくよかな坂本に扮してアクションを披露するシーンでは、重々しさを感じない素早い動きで、アニメーションで目にした坂本の動きそのもののようだった。ただし、メガネの反射で瞳が見えづらいキャラクターでもあるので、本人の魅力のひとつである整った顔が分かりづらいのは少し寂しい。とにかく原作のストーリーラインを大事にしつつ、常連のキャスティングで笑いを取るのも福田監督らしい。 原作は坂本以外にも人気キャラクターが多い。だからこそキャスティングには拘っていて主演クラスの俳優がずらりと顔を揃えている。人気の高い相棒の朝倉シンを演じた高橋文哉は漫画から抜け出してきたようだし、庶民的な魅力を放ちながら華麗なガンアクションを披露してくれる。また変装の達人で同期の殺し屋・南雲を演じる北村匠海の登場シーンもコミカルなアクションで楽しませてくれる。多くの個性的なキャラクターを豪華なキャスティングで実写化した分、128分では収まりきれない映画になっていたのは事実。程良い笑いを交え、家族愛が可愛く殺し屋たちのクールで意表をつくアクションが満載のファミリームービーでもあるが、続編制作を期待したくなる映画だった。
26/4/28(火)