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浦島茂世

美術ライター

ひきつけるカタチとコトバ―看板・引札にみる明治の商い

ちゃきちゃきの江戸時代やモダンな大正時代と較べると、どうしても地味に扱われがちなのが明治時代の人々の文化。けれども、江戸時代の流れを組みつつ、西洋の文化や産業の発展の影響を受け、特に商業の分野では看板や引札(広告用の摺りもの)などはかなり斬新なスタイルのものが登場するようになっていた。この展覧会は、そんな明治時代の看板や引札などに着目した展覧会。屋号や品名を文字で記した「文字看板」だけでなく、タバコの葉をかたどったタバコ屋さんの看板、メガネをかたどったメガネ屋さんの看板など「模型看板」も明治時代は流行。その造形がどれも凝っていて、見ていてとても楽しくなる。 また、印刷技術の発展に伴い発達した引札は、華やかな色合いや斬新なデザインが目をひく。「お客さんの関心を引くにはどうすればいいか」という商人の気持ちは、100年以上立っても変わらないのだなあとしみじみ。岸田劉生のお父さんで、目薬の販売で一発当てた岸田吟香の会社の引札をたくさん見られたところが特に大満足。

26/5/13(水)

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