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中村剛士

美術ブロガー

開館記念特別展 ぐるぐる展 進化しつづける人類の物語

高輪ゲートウェイ駅直結のTAKANAWA GATEWAY CITYに誕生した文化施設、MoN Takanawa: The Museum of Narrativesで、開館記念特別展『ぐるぐる展ー進化しつづける人類の物語』が開催中です。テーマは、螺旋、回転、循環、反復。銀河や海、縄文土器、回転寿司、山手線、家事、指紋、つむじ、思考の巡りまで、身の回りに潜むさまざまな「ぐるぐる」を手がかりに、人類の文化や暮らしを見つめ直します。 実は、MoN Takanawaの建物そのものも「ぐるぐる」しています。木を多用した螺旋状の外観は、地面から空へ向かって回転しながら伸びていくような姿を見せます。展覧会のテーマが展示室の中だけに収まらず、建物の印象や高輪ゲートウェイの新しい街の動きとも重なって感じられるのは、この展覧会ならではの面白さです。 会場は「World」「Art」「City」「Culture」「Human」「Think」の6ゾーンで構成され、約100点のアイテム、50種類以上の「ぐるぐる」が集まります。三谷純による折り紙作品「白亜の螺旋」、後藤映則や児玉幸子、岩井俊雄、東弘一郎らの作品、テラダモケイ/TASKO Inc./Gakki Lab.による山手線の展示、藤本壮介建築設計事務所による大阪・関西万博の大屋根リング模型、第69代横綱・白鵬が締めた横綱など、扱われる対象は幅広いものです。都市の移動、日々繰り返す家事、受け継がれる文化、人の身体に刻まれた模様まで、普段は別々に見ているものが「ぐるぐる」という言葉でゆるやかにつながっていきます。 いわゆる美術館で一人の作家や名品を深く味わう展覧会というより、科学館の常設展示を巡るような感覚に近い体験型の内容です。音声ガイドのキャラクター「UZU」と「メグル」に導かれながら進む構成で、見るだけでなく、聞く、考える、気づくという要素も重ねられています。アート作品、模型、映像、データ、生活の中の道具や文化的な資料が同じテーマのもとに並ぶため、大人も子どももそれぞれの入口から楽しめます。 「ぐるぐる」は同じ場所を回っているようで、少しずつ先へ進んでいく形でもあります。展示を見たあとには、駅へ向かう人の流れや街の更新も、ひとつの循環として見えてくるかもしれません。新しく動き出した高輪の街を歩きながら、MoN Takanawaという文化施設の最初の一歩を確かめたい展覧会です。

26/5/31(日)

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