クリント・イーストウッド監督の『15時17分、パリ行き』では、テロ事件を阻止した若者たちが本人役で出演していたが、この『アメリカン・アニマルズ』も本物の事件の当事者たちが登場する。違うのは、彼らはカメラの前で当時を振り返り、ドラマパートでは別の役者が演じていること。そして、彼らがしでかしたのが、大学の図書館から希少本を盗み出すという、誰にも褒められない犯罪だったことだ。 彼らにとっては、退屈な日常をぶち破るための冒険だった強奪計画。しかし現実を見れば、犯罪にはド素人の学生の悪ふざけでしかない。そんなものを映画にする価値があるのかと問われれば、「ある！」と答えたい。彼らの思慮の足りない卑近な心...

19/5/13(月)