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映画から自分の心を探る学びを

伊藤 さとり

映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)

トイ・ストーリー5

映像のクオリティは今までのシリーズで実証済み。ベースは人間の世界で生きるおもちゃの気持ちから知る“友情”や“成長”“居場所の危機”なのだが、今回は今までも何度か描かれた“居場所の危機”に、“真の友達作り”が更に深いテーマとなって綴られていく。 本作に繋がる問題だが、最近、SNSでゲームを与えられなかった子どもが友達と遊べなかったという内容を目にした。確かに共通の“遊び”がなければ輪に入れないかもしれない。『トイ・ストーリー5』の製作陣は、そこに目を向けて、「本当にゲームだけで友達作りが出来るのか」という問いへの答えを物語で探求していく。しかも相手はゲームを搭載したAIのタブレットなので、子どもにとっても刺激的なアイテムだ。劇中、子どもたちが時間を忘れて、タブレットを覗いている様子が窓越しに映し出されるが、このシーンだけで、これは全世界共通の日常だと気付かされてしまう。 ただ本作が子どもの物語だけにとどまっていないのは、子どもの心と同時並行して、バズ・ライトイヤーの恋の行方や仲間との絆が面白おかしく描かれていく点だ。ここは『トイ・ストーリー』制作チームの上手さだと感心するのだが、観客を飽きさせないよう楽しませながら、大切な問題をしっかりと見せる為に工夫された緻密な脚本によるものだ。お陰で、“自分の想いを言葉で伝える”ことが人生を変えていくのだと心に刻み込まれる映画となり、昔の自分や、今の自分、人によっては自分の子育てについて想いを馳せる映画になっていた。

26/6/26(金)

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