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植草 信和

フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

THE ORIGIN OF ULTRAMAN

1966年1月からオンエアが始まった『ウルトラQ』。その後継番組『ウルトラマン』(同年7月)は、最高視聴率42.8%を記録し、大旋風といっても過言ではないほどの社会現象を巻き起こした。 以後、昭和→平成→令和と進化を続けてきた『ウルトラマン』はまさに、日本のテレビ特撮史において単なる娯楽作品の枠を超え、視覚文化の象徴的ドラマになった、といっても過言ではないだろう。 本作『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』は、ギレルモ・デル・トロ、ニコラス・ウィンディング・レフン、小島秀夫、庵野秀明、樋口真嗣ら、映像・ゲーム・デザインといった異なる領域のトップ・レベルの創作者たちが集い、それぞれの言葉で〈ウルトラマンとは何か〉という問いに向き合うドキュメンタリー作品だ。企画を手掛けたのは、幼少期から『ウルトラマン』を愛し続けてきた、『箱の中の羊』の是枝裕和監督。 証言者たちの発言は、「ウルトラマン」を単なる懐古の対象としてではなく、その造形美と精神性を多角的にひもときながら、円谷英二をはじめとする先人たちの創意と労苦にも光を当てる点で、共通している。なかでも、デル・トロ監督の、「幼児が愛玩具を愛撫する」ような、天真爛漫な表情は忘れられない。我がヒーローが、世界でこんなにも愛されているのか、と少し誇らしく感じる。 60年の蓄積を背負いながら、なお新たな光を放ち、変容し続ける「ウルトラマン」の核心へと迫る、豊饒な一本。世代を超えて語り合える、稀有なドキュメンタリー作品だ。

26/6/29(月)

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