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政治からアイドルまで…切り口が独創的
中川 右介
作家、編集者
ラブ≠コメディ
26/7/3(金)
TOHOシネマズ 日比谷
人気俳優が人気俳優の役を演じる映画といえば、最近では『免許返納!?』があった。あの映画では、かつてのアクションスターが、いまは演技派として成功しているものの、アクション映画に出たがっていたが、この映画では、「顔がいいだけの人気俳優」が、そろそろ30歳になるので、うわついたラブコメではなく、社会派の重厚な作品に出たがっているという設定。 その「顔がいいだけの人気俳優」を、中島健人という人気俳優が演じ、結果として、顔だけではないことを証明している。一種のセルフパロディだが、こういう役がやれるのは、中島が顔だけでなく、頭もいい、かなりクレバーな俳優だからだろう。 中島演じる人気俳優の次の仕事は、またもテレビのラブコメで、長濱ねる演じる若い女性アイドルが相手役。彼女はまじめにラブコメに取り組もうとしていて、最初は中島との間に仕事への温度差がある。このふたりがラブコメを演じていくにつれて……という王道のラブコメ。一種のメタ構造が楽しめる。 シーンのほとんどは、テレビスタジオとロケ現場で、テレビドラマ業界内幕もの的なおもしろさがあり、「バックステージものにハズレなし」の法則は、この映画にも該当。 アクシデントがあったり、感じの悪い人がいい人だったり、みんなで団結して危機を乗り越えたり、しんみりシーンもあったりと、ありとあらゆるお仕事映画のお約束がつまっている。 外見は軽いけど、ラブコメはなぜ必要なのか、ハッピーエンドであるべきかバッドエンドであるべきかといった、ドラマ論も展開され、見かけより深い映画だ。
26/7/2(木)