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水先案内人のおすすめ

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柔軟な感性でアート系作品をセレクト

恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

嵐電

出会いながら行き違いながら街を走る、人生みたいな路面電車。いつも同じところを通っているけれど、走るたびに違ったものが生まれている。誰かを愛しているのだけれど、その気持ちは、常に同じではないように。 嵐電の姿、役者たち、目に映るものすべて魅力的なのだが、これは耳でもたっぷり味わいたい映画。電車が走る音が、さまざまな感覚を喚起する。それがいつしか寄せては返す波のように聞こえてきて、京都の街を自分もただよっているような、映画の中の誰かの物語を自分も生きているような……。 虚実の境も、彼我の境も、この映画は静かに溶かす。描かれる3つの恋愛の行方はさまざまなのだけれど、どれもなんだか身に覚えがあるような気がしてくるのだ。

19/5/20(月)

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