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鋭い視点でアートの見方を指南

村田 真

美術ジャーナリスト

開館50周年記念 アルベール・マルケ展

モダンアートの歴史に一大スキャンダルを巻き起こした「フォーヴ」のひとりとしてデビューしたものの、マティスのように奔放な色彩もなく、ヴラマンクほどの激烈な筆遣いもなく、灰色がかった中間色を基調に身近な水のある風景を描き続けた画家、マルケ。人生に大きな浮沈もなく、パリを拠点にル・アーヴル、マルセイユ、アルジェなど主に港町に滞在しながら制作し、最後までスタイルをほとんど変えなかった。特にマルケが得意としたのは遠景が灰色に霞んだ曇り空や雪景色だ。たとえば30歳ごろの《グラン・ゾーギュスタン河岸》と、70歳を過ぎてからの《雪のコンティ河岸》を比べて見ても、どっちが若いころでどっちが晩年の作品か見分けがつかない。地味なモチーフも中間色も変化しないスタイルも、モダンアートの美学とは相いれないが、作品としての評価はまた別物。絵を見ればマルケの表したかったことがしんしんと伝わってくるのだ。

26/9/30(水)

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