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恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

Blue Heron/ブルーヘロン

カナダの新鋭ソフィー・ロムヴァリ監督の長編デビュー作にして、家族の記憶を巡る新たな傑作。懐かしさと痛ましさが同居するストーリーの土台は、監督自身の幼少期の記憶と家族の実体験。主人公サーシャはロムヴァリの分身のような存在だ。 1990年代後半、夏のバンクーバー島。当時8歳の少女サーシャは、家族団らんが長兄ジェレミーに乱されるのを何度も見る。才能豊かなこの兄は、突然問題行動を起こしては波紋を広げる。両親は懸命に対処するが、やがてつらい決断を迫られる。 愛する家族に何が起きていたのか。大人になったサーシャは、映画の力を使って子ども時代の記憶をたどり直し、家族の傷に向き合う。 『afttersun/アフターサン』や『メモリィズ』、さらにはドキュメンタリー『どうすればよかったか?』とも一脈通じる内容。大切な人々を理解したいと切実に望む主人公の脳内風景を具現化したような終盤は圧倒的。厳しさと優しさが共存する、人生そのもののような感触の映画だ。

26/10/25(日)

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