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上野 紀子
演劇ライター
こまつ座 第161回公演『兄おとうと』
26/10/11(日)~26/11/3(火)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、茨木市文化・子育て複合施設おにクル ゴウダホール(4F 大ホール)
井上ひさしさんの評伝劇というと小説家などを扱った作品が多く思い浮かびますが、その中では異色かもしれません。兄は民本主義を唱えた大正デモクラシーの騎手、吉野作造。弟は高級官僚の吉野信次。正反対の立場、信条を持ったふたりの兄弟喧嘩から見えてくるのは、明治、大正、昭和の時代を経て不思議と令和の今に至るまで、日本に生きる我々庶民の苦しい生活から湧き出る疑問、息苦しさ、明日への希望。井上さんの名言「むずかしいことをやさしく〜」の言葉通り、諦めてはいけない大切なことをしっかりと語りつつ、歌と踊りをまぶした劇空間はとにかく楽しい! 兄役の横田栄司さん、弟役の岡本圭人さんの思いもよらなかった(ですよね?)斬新な兄弟タッグも話題ですが、兄の妻役の彩吹真央さん、弟の妻役の霧矢大夢さん(妻同士は実の姉妹なのです)の、宝塚同期OGの姉妹共演がなんとも胸熱。さらに松角洋平さん、平体まひろさんのおふたりがそれぞれ多役に扮し、庶民代表となってこの兄弟、姉妹に痛快に絡みます。演奏は、こまつ座舞台になくてはならない朴勝哲さん。鵜山仁さん演出による5回目、12年ぶりの再演をお見逃しなく!
26/10/15(木)