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ドキュメンタリー評論のエキスパート

村山 匡一郎

映画評論家

アニカの伝言

動物とコミュニケーションできる特別な能力を持つ少女アニカ。そんな彼女が祖母とそのパートナーと一緒にキャンピングカーで各地をめぐる姿を、モノクローム映像で淡々と描いたロードムービーである。 訪れた先の動物とその飼い主のセラピーをして、報酬を得ながら旅する3人。途中で精神療養施設に入所するアニカの母親を訪れるシーンもあるが、全編は点描といえる説明抜きの詩情豊かなシーンが続く。面白いのは、キャンピングカーの車窓やテレビ取材の際のテレビカメラの画角など、スクリーン内フレームという二重性が目立つこと。アニカの心に映じる内と外、現実と夢想を象徴するかのようで興味深い。 アニカを演じるアニカ・ブーツは母親として登場するベタニア・カッパートの実の娘であり、イバン・フンド監督は義父にあたるという。アルゼンチンの経済不況を反映した低予算映画だが、『都会のアリス』などヴィム・ヴェンダース監督の初期作品を想起させる。

26/11/5(木)

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