評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
アジア、中東、欧州の話題作・問題作を
夏目 深雪
著述・編集業
7月の物語
19/6/8(土)
ユーロスペース
『やさしい人』のギョーム・ブラックの2作目。二部作で、タイトルからして、E・ロメールを思い出させるが、俳優は全てフランス国立高等演劇学校の学生、それぞれ5日間の撮影期間、3人の撮影スタッフと撮りあげたというのも明らかにロメールを踏襲している。パリ郊外のレジャーセンターでの若い女友達2人の恋のアヴァンチュールを描いた第一部も王道感があっていいのだが、周りの男をみな夢中にさせる、国際大学都市に住む女子留学生のハンネのパリ最終日を描いた第二部が、思いもかけない方向に映画が進んでいき、出色。作り方や設定はミニマムだが、パリとパリ郊外、男と女という正反対のものが繰り広げるドラマのダイナミズムを堪能できる。
19/6/4(火)