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水先案内人のおすすめ

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平辻 哲也

映画ジャーナリスト

月極オトコトモダチ

映画界も働き方改革というべきなのか、兼業監督が増えている。この映画のメガホンをとった穐山茉由(あきやま・みゆ)監督は、ファッションブランド「ケイト・スペイド・ジャパン」でPRマネジャーを勤めながら、30代になったのを機に映画製作を始め、長編第1作にして早くも才能を開花させた逸材だ。 昨年の東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門に正式出品を果たし、音楽と映画の祭典『MOOSIC LAB 2019』では長編グランプリほか4冠に輝いた。4月の「くまもと復興映画祭」でも上映され、映画祭ディレクターの行定勲監督からは「東京国際映画祭で観て、真っ先に上映を決めた作品だった」と紹介された。 アラサー編集者のヒロイン、望月那沙(徳永えり)は、レンタル“オトコトモダチ”なる存在を知り、記事を執筆するため柳瀬草太(橋本淳)と契約を結ぶ。一方、那沙の女友達、珠希(芦名すみれ)は共通の趣味である音楽を通じて、草太と仲良くなっていき……。仕事を超え、次第に草太に惹かれていく那沙だったが……。 「レンタル友達」という新しい職業を題材に、「男女の関係に友情は成立するのか」という永遠のテーマを真っ向から描く。3人の主要キャストの好演、透明感のあるBOMIの歌声、映画に象徴的に登場する給水塔が印象に残る。このセンスはファッション界で磨かれたものかもしれないが、映画界でも、どんどん見せて欲しい。仕事と恋に悩む20代の男女にぜひ観てほしい。

19/6/5(水)

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