香取慎吾新境地！ どこまでもダメなキャンブル依存症の男を今までにないリアルで演じ切った。パブリックイメージからくる“観客が（ファンが）期待する姿”は、そのダメ男がどこかの分岐点で立ち上がる物語。『孤狼の血』白石和彌監督もそのことを分かってか、主人公にいくつものチャンスを与える、の・だ・が・落ちるばかり。観ていて、「がんばれ！」と声をかけたくなるほどのクズ男ぶりなのだ。しかし、これが現実なんだろう。人間そんなに簡単に変わらない。しかも優しい人間ほど心が弱い。そこが刺さった。9年前の『座頭市 THE LAST』では渋がっていた香取慎吾。年を重ねSMAP解散、事務所独立という荒波で培った演技力だろう。果たして主人公の“再生”は果たされるのか？ 『半世界』での稲垣吾郎のダメ親父も良かった。次は草彅剛主演作に期待。

19/6/26(水)