ミュージカル『王様と私』

トニー賞を受賞して間もない作品を、主演二人ともオリジナルキャストのまま、ここ日本で観られる日が来るとは思っていなかった。これは完全に、王様役の渡辺謙のおかげ。思えば彼がブロードウェイ・デビューを果たしたおかげで、私たちは密着番組などを通じてお茶の間にいながらにしてブロードウェイの稽古場を覗くことができ、そして今、トニー賞女優ケリー・オハラが“歌う”のではなく“演じる”姿を生で見ることができる。王様役に合っているのはもちろんのこと、渡辺謙の果たした役割と影響力はそうした意味でも大きく、これはやはり改めて観ないわけにはいかないだろう。また、ロンドン公演から参加した大沢たかおのクララホム首相を初めて観られるのも楽しみだ。