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見逃せない、ちいさな芝居を中心に

釣木 文恵

演劇ライター

夏の日の本谷有希子『本当の旅』

本谷有希子の帰還 ──。演出家としての公演がないなか、『異類婚姻譚』で芥川賞を受賞し、このまま小説家として進んでいくのかな、とも思っていた。〈劇団、本谷有希子〉の公演は2012年の『遭難、』が最後。公式サイトで「3年ぶりの公演」とうたっているとおり、2016年に飴屋法水らとの公演があったけれど、あれは演劇というか「Live Performance」だった。それに、あの作品での彼女の立ち位置は、いわゆる一般的な劇作家、演出家としての関わりとは違うように見えた。 8月VACANTで行われる公演は、「作・演出 本谷有希子」となっている。自身の小説『静かに、ねえ、静かに』をもとにした作品になるようだ。何より驚いたのはキャストだ。芸能界のビッグネームを迎えることが多かった、かなりさかのぼっても演劇界のベテランといえる人たちを中心に据えてきた彼女が、今回は若手・中堅をずらりと揃えている。といっても、彼らの所属劇団を並べるだけで壮観だ。ままごと、子供鉅人、青年団、ベッド&メイキングス……。かなりの実力派揃いで、小劇場ファン的にはめちゃくちゃ豪華なメンツだ。 彼らを迎えた本谷有希子がいま、どんな芝居を作るのか。どうしても期待してしまう。

19/8/2(金)

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