「企画」という名義で参加している作品だが、映画作りそのものには関与していないので推薦させていただこう。男と女がふたりきり、お互いの身体を求め合いつつ愛を深めていく……。
このシンプルで刺激的なプロットに魅せられて企画段階のお手伝いをした。まるで往年の日活ロマンポルノ? いやロマンポルノだって、登場人物が男女ふたりだけというのはなかったと思う。男と女の深い思いを描くなら、人物やサイドストーリーなどの夾雑物を入れずにやってみたら……そんな映画を観たいと思った。
しかし、荒井晴彦脚本、神代辰巳監督の名作『赫い髪の女』(1979年)でも、そうはできなかったんだから難しいんだろうなあ。それを、この映画はみごとに達成した。ふたりだけで115分を持たせた柄本佑、瀧内公美の両俳優に拍手するしかない。