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パリ発、ヨーロッパで話題の作品を

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

永遠に僕のもの

プロデューサーがペドロ・アルモドバルで、監督は「三島由紀夫ファン」を公言するアルゼンチンの若手実力派、ルイス・オルテガ。そんなふたりが世に送り出した『永遠に僕のもの』は、70年代に“黒い天使”と呼ばれた実在の連続殺人犯の少年をモデルにしながら、監督独自の脚色によるホモセクシュアリティを濃厚に滲ませ、ぞくぞくするような色気を醸し出す。 特にふてぶてしさと何をしでかすか分からない危うさが同居する主人公役の新星、ロレンソ・フェロが出色。彼が心を寄せる相棒とのコンビもなにやら怪しさに満ち、殺人のリアルな陰惨さというよりは、妖艶さと刹那的エネルギーに満ちた異色作だ。 70’sのファッションや、アニマルズの『朝日のあたる家』のスペイン語カバーなどの音楽が、ポップ色を加味している。

19/8/15(木)

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