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映画のうんちく、バックボーンにも着目

植草 信和

フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

戦後独立プロ映画のあゆみ-力強く PARTII

『五匹の紳士』9/8〜9/14 ラピュタ阿佐ヶ谷 特集「戦後独立プロ映画のあゆみ―力強くPARTⅡ」(7/28〜9/28)で上映 テレビ時代劇『三匹の侍』の斬新な殺陣とエロティシズム表現で、五社英雄の名声は映画界にも轟いていた。その才能を高く評価したのは、意外にも劇団俳優座のプロデューサー佐藤正之(夫人は『必殺仕置人』の“婿どの~”でおなじみの女優菅井きん)だった。 『五匹の紳士』はその佐藤がプロデュースした、五社英雄監督の数少ない現代劇アクション映画。 それ以前に佐藤は五社監督二作目にあたる『獣の剣』(俳優座の単独製作)にも起用していて、本作は五社・佐藤のコンビ第二作となる(後にふたりは『鬼龍院花子の生涯』という大ヒット作を作る)。 エリート・サラリーマンの笈田(仲代達矢)は、自動車事故で人を殺めて服役。数年後、出所を前に所内で知り合った千石(平幹二朗)からある仕事を依頼される。それは彼の犯罪に関わった娑婆の三人を殺すことだった……。 物語にそれほど鮮度があるわけではないのだが、注目すべきは俳優座所属の未来のスターたちがこぞって出演していること。 仲代、平に加え、中谷一郎、井川比佐志、田中邦衛が“五匹の紳士”という設定。その他、川口敦子、木村俊恵、岩崎加根子、ノンクレジットで夏八木勲が出演しているのだから、壮観だ。『五匹の紳士』は新劇人とテレビ人が組んで映画界に進出した最初の独立プロ作品だ。

19/9/6(金)

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