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日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

駅までの道をおしえて

伊集院静の同名短編を『臍帯』の橋本直樹監督が映画化した本作は、生と死、大切なものとの別れ、それでも前をまっすぐ見て生きていかなければいけない遺された者たちの姿を繊細に描いた、観逃したらもったいない珠玉の作品だ。 中でも観る者を魅了するのが、愛犬ルーの死を受け入れられない少女さやかを演じた新津ちせと(『3月のライオン』のモモ役、米津玄師がプロデュースした『パプリカ』を歌うFoorinの最年少メンバー)。命をめぐる物語をちゃんと理解している彼女の複雑に変化する多彩な表情とピュアな仕草、しっかりとした言動には思わず心揺さぶられる。 マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』で強烈な印象を残した世界的演劇人・笈田ヨシ、滝藤賢一ら錚々たる共演陣とも堂々と芝居を交わし、大切なことを体現するから、ファンタジックで切ないクライマックスでは温かい涙が静かに頬を伝っていた。

19/10/15(火)

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