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柔軟な感性でアート系作品をセレクト
恩田 泰子
映画記者(読売新聞)
マイ・ビューティフル・デイズ
19/11/1(金)
シネマカリテ
女の髪をまとめたシニヨンの中には秘密が渦巻いている。『めまい』のキム・ノヴァクしかり、最近では『真実』のドヌーヴしかり、そしてこの映画の主人公、リリー・レーブが演じる高校教師のミス・スティーヴンスしかり。 ミス・スティーヴンスは、内なる苦しみを抱えているが、教師だから、大人だからと虚勢を張っている。だが、ある週末、3人の生徒たちを引率して州の演劇大会を訪れたことが、彼女に小さな変化をもたらす。 日常の中の葛藤を繊細に見つめた一本。変化のきっかけを作る生徒役のティモシー・シャラメの存在感、そして、レーブの決して声高にならない演技がすばらしい。劇中、印象的に使われる曲の一つは、アメリカの『金色の髪の少女』だ。
19/10/28(月)