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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎、文楽…伝統芸能はカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

十二月大歌舞伎

この12月は新作歌舞伎のラッシュ。歌舞伎座の夜の部では、坂東玉三郎による『本朝白雪姫譚話』だ。 とある名家の奥方の野分の前に赤子(白雪姫)が生まれる。何とも可愛らしい赤子だが、なぜか当の野分の前は浮かない様子。白雪姫を授かったものの、自分が衰えていくのではと疑心暗鬼に。だが鏡の精に問いかけると野分の前の美しさを称えてくれるので安堵する。10年後、白雪姫はさらに美しく成長する。ついには鏡の精も白雪姫の方が美しいと言い出す始末。野分の前は白雪姫をやりこめるために芸事で競おうとするが、これすらかなわない。家臣郷村新吾に命じて白雪姫をなきものにしようと画策するが、その家臣も白雪姫に心奪われて……。   グリム童話の白雪姫を時代や人物設定も変えて、歌舞伎らしい作品にしあげた。白雪姫に坂東玉三郎、郷村新吾に中村獅童、鏡の精に中村梅枝、従者春之進に坂東彦三郎、野分の前に中村児太郎という顔ぶれがまたひときわ楽しそうだ。何よりも玉三郎から女方の大役を継承しつつある「玉三郎スクール」の女方生徒たちが、よってたかって玉三郎つとめる白雪姫をいたぶるという構図が秀逸だ。 夜の部もう一本は『神霊矢口渡』。尾上松緑が初役で頓兵衛、こちらも初役の梅枝のお舟に同じく初役の児太郎の傾城うてな、中村萬太郎の下男六蔵、そして坂東亀蔵の新田義峯。 昼の部は昨年と同様『阿古屋』を玉三郎、梅枝、児太郎のトリプルキャストで上演されるのも見逃せない。他に市川中車の『たぬき』、梅枝と児太郎の『村松風二人汐汲』(Aプロ)、玉三郎の『保名』(Bプロ)。

19/11/26(火)

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