荷車曳き・セキ(望月優子)の、明治・大正・昭和、三つの時代に渡る女の一代記。姑映画で筆者のトラウマとなっている作品に『六條ゆきやま紬』がありますが、本作の姑(岸輝子)いじめも相当ひどい!しかし、そのひどさゆえに、姑が死ぬ間際の和解のシーンでは涙を禁じえません。そして、いじめられる母親を気丈に支える長女役の左民子(成人時代は実姉の左幸子)のいじらしさ……名演です! さらに後半、夫の茂市(三國連太郎)がちょっかいを出すのがなんと浦辺粂子(いいのか、三國!?)。異性に対してだらしがなく、見ていてイラっとする、でも妙な色気がなくもない年増女を好演。ジェンダー、人権問題が見直されている今観ると、いろんな...