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村山 章
映画ライター
ジョジョ・ラビット
20/1/17(金)
“アドルフ・ヒトラーをイマジナリーフレンドに持つナチス大好き少年(10歳)の青春戦争コメディ”というトリッキーな枠組みが、見事に機能している。タイカ・ワイティティ監督は、本作で第二次世界大戦やホロコーストの歴史を正確に描くことよりも、ハチャメチャなファンタジーに仕上げることで、21世紀の現実にチクリと釘を刺すような、今を生きるわれわれに向けた普遍性のある映画に仕立ててみせた。 可笑しさと切なさと深刻さを絶妙にブレンドしたワイティティの卓越したセンス、日本では残念ながら劇場未公開となった名作『足跡はかき消して』(配信あり)の新進女優トーマサイン・マッケンジーの素晴らしさ、オスカーも獲ってほしいスカーレット・ヨハンソンの母親役など、観るべきところがあり過ぎて、二度三度と劇場に足を運んでしまいそうな気がする逸品。
20/1/22(水)