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恩田 泰子
映画記者(読売新聞)
ドミノ 復讐の咆哮
20/2/14(金)
シネマート新宿
名匠ブライアン・デ・パルマによる久々の監督作。映画としての出来は残念なのだが、なぜ、そうなってしまったのかを考えると興味深い。物語の始まりはコペンハーゲン。 『ゲーム・オブ・スローンズ』のニコライ・コスター=ワルドウー演じる刑事が、自らのミスが招いた悲劇にケリをつけようとしたところ、国際テロをめぐる暗闘の渦中へのみこまれていく。 覗き見風ショットなど、いかにもデ・パルマな映像には心くすぐられるが、どうにもサスペンスに火がつかない。脚本が甘い。一つ一つの場面が無駄に説明的で長い。海外メディアでのデ・パルマの発言を読むと、製作サイドとうまくいかなかったようなのだが……。次作を待つ間にほんのりデ・パルマの薫りをかぐつもりで、どうぞ。
20/2/12(水)